2013年09月26日

『さよならタマちゃん』


 今回は、本の紹介です。本といっても、マンガです(笑)。

 私はこう見えても(どう見えても?)、マンガ大好きです。活字の書物もよく読みますが、マンガもたくさん読みます。こないだも、『続 すきまめし』なんてのを買ってきましたが、おもしろかったですね〜。




 ・・・と、本題に戻ります。

 この間買って、一気に読んだのが、『さよならタマちゃん』。イブニング連載時から気になっていて、単行本化を心待ちにしていました。



 ベテラン漫画家アシスタントである著者が、ある日突然、精巣腫瘍を宣告されます。精巣腫瘍は、自転車ロードレースの(元)帝王、ランス・アームストロングが罹患したことでも有名な病気で、がんの中では比較的若年者に多いと言われています。

 著者は、もちろん入院を余儀なくされ、手術で精巣を摘出、その後化学療法を行っていくのですが、これが大変に過酷なもの。化学療法による副作用は、まだ若く、体力のあるはずの著者から、体力・気力を奪っていきます。

 彼を支える妻。その妻に感謝しつつも、あまりの過酷さに、ついきついことを言ってしまう著者。
 ネタバレはまずいのでこれ以上言いませんが、第14話、私、これをイブニング連載時にコンビニで立ち読みしていて、思わず涙が出そうになってあわてて店外に出た覚えがあります(^^;)。

 また、ともに入院をしているがん患者さんたちとの、日々の交流。同じ病気を持つ者同士の奇妙な(?)一体感は、読んでいて非常におもしろいです。


 私は、患者側の医療過誤をよく取り扱っていますが、私が見聞きするのは、いわば「通常ではない」経過をたどった事案ばかりです。病気になり、入院し、治療を受け、退院していく、そのような「一般的な」経過をたどる事案を見ることは、実は、あまりありません。

 このマンガは、がんに罹患する、一般には、特別な、恐ろしい病気というイメージがある、しかし誰にでも起こりうる事態に至った一社会人が、治療をしていく中で、どのような体験をし、どのような思いを持ち、どのようにそれを乗り越えていくかということが、克明に描かれています。

 これは、他人事ではない。もしかすると、次の健康診断で、私が、あなたが、同じ立場に立たされるかも知れない。そう思ってこれを読むと、また特別な感情が沸いてくるように思います。


 ともあれ、マンガです。あまり小難しいことを考えずに(笑)、楽しく読んでみてください。

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(石田)


posted by あかつき法律事務所 at 18:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療関係

2013年06月07日

池永満さんを偲び『新・患者の権利』の出版を祝う会


 去る6月2日、福岡市内のホテルにて、「池永満さんを偲び『新・患者の権利』の出版を祝う会」が開催されました。

 故・池永満弁護士は、当事務所の石田・波多江両名とも所属している九州・山口医療問題研究会立ち上げの中心的人物です。

 もう30年以上も前のことですが、その当時に、日本では医療の分野における人権が尊重されていないと喝破し、上記のような組織を立ち上げ、活動を行ってきたその慧眼と実行力は、まさに敬服に値します。

 またその後も、2年間のイギリス留学を経て患者の権利オンブズマンを立ち上げるなど、医療分野における患者の権利確立に向けて邁進されていました。

 2009年に病気が判明した後も、亡くなる直前まで、『新・患者の権利』の執筆を続け、これを完成させた後、静かに旅立ったとのことです。最期の最期まで、本当に池永弁護士らしいエピソードです。

 これほどの活動を精力的にこなす方ですから、結構強引なところもあって、私個人は正直少し距離を置いていたのですが(^^;)、その偉大な足跡は、万人の評価するところでしょう。

 単なる医療過誤訴訟の患者側代理人スキルアップという目的ではなく、そのような活動を通して患者の権利の確立と安全な医療の実現を目指すのだ、という趣旨で設立された九州・山口医療問題研究会。
 現在医療問題研究会に加わっている我々が、そのような理念を受け継いで活動できているのかというと、・・・・日々の業務に取り紛れ、とても池永弁護士のようには・・・。

 私にとっては、自らの日々の活動を省みる会となりました。


 なお、偲ぶ会の様子と池永弁護士の活動については、九州・山口医療問題研究会福岡県弁護団のブログに、久保井摂弁護士が「先達のあゆみをあすにつなぐために」という記事を書いていますので、そちらもぜひご覧ください。

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(石田)
posted by あかつき法律事務所 at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療関係

2013年05月11日

医療過誤事件調査で医師面談


 連休前になりますが、東海地方の某都市に出張に行きました。医療過誤の調査事件で、その都市の病院に当該分野の専門医がおられるということで、お話をうかがいに行ったのです(進行中の事件で詳細を書けないため、ちょっとわかりにくくてスミマセン。)。


 医療過誤の調査をする際、文献調査や、相手方医師に話を聞きに行くというだけでは解明できないところが残る場合があります。

 そのような場合、知り合いに当該分野の専門医がいれば、その方にお話をお聞きするということができますが、そのような知り合いの医師がいない分野の場合・・・調査は大変難航します。

 そのようなときに時々とるのが、参考になる文献の著者やその分野の権威とされる医師に、いきなり手紙を出してお話を聞けないかお尋ねする、という手法です。

 相手の医師からすれば、いきなり遠方の、見も知りもしない、しかも「弁護士」という怪しい人種(笑)から手紙が来て「会ってくれ」と言われるわけですから、相当警戒されるのではないか、会ってくれることなどないのではないか、と思いませんか?

 ところが、意外とそうでもありません。過去、あなたがどういう人かも分からないので会えません、とつれなくお断りされたこともありますが、結構な確率で、いいですよ、どうぞ、と言ってくださるのです。

 私の経験では、一般的にみて、優秀な先生ほど気さくに、あっさりと会ってくださるように思います。そして伺えるご意見も、患者側の思い込みなどについてもしっかりと誤りを指摘してくださる一方で、医療機関側に不利な情報だからといって変に隠すというようなこともなく、だめなものはだめとはっきりおっしゃっていただけることが少なくありません。

 このいわば「いきなり型」医師面談は、患者側にも医療機関側にも利害関係がない医師にお話をお聞きするということもあり、客観的な、忌憚のない意見をおうかがいできるという意味で、貴重なものとなることが多いのです。


 今回もそのような手法で、その医師とは全く面識がなかったのですが、お手紙を書いてみました。果たして、お返事は「お会いしますよ、どうぞ。」でした。

 それで依頼者(患者のご遺族)と一緒に出かけてきたわけですが・・・。

 聞き取りの内容自体は、事件の具体的内容に関わりますので、ここには書けません。しかし今回も、上記の例に漏れず、大変よい面談でした。

 何より、依頼者の言葉が印象に残りました。

「当時、この先生に会えていたら、と思いました。これだけ丁寧に説明をしてくれて、どういう治療法があって、どういう効果や副作用があって、ということをしっかり理解した上で選択したのであれば、仮に結果が変わらなかったとしても、それはそれで仕方なかったと思えたと思います。」とのこと。


 事件というのは、弁護士だけの力で処理できるものばかりではありません。社会の中の、いろいろな方の助けを借りて、解決していくものです。

 どんな手を使っても目の前の事件に勝ちさえすればそれでいい、というものではなく、我々弁護士も、社会の中で信頼していただけるように、日々振る舞っていかなければならないと思います。


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(石田)
posted by あかつき法律事務所 at 16:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 医療関係