先週の金曜日、今週の月曜日(昨日)と、弁護士会主催で行われた2つの後見人研修を受講してきました。
なぜ2つもあるのかと言いますと、金曜日のものが「成年」後見人の研修、昨日のものが「未成年」後見人の研修と、内容が異なったからです。
後見人とは、判断能力が十分でない方(法律的には「行為無能力」と言います)を代理して法律行為を行う者です。
子どもは、民法上、行為無能力と規定されていて、一般には親が親権者として子の代理をしますが、両親とも亡くなったなど、親権を行う者がいなくなった場合に、「未成年」後見人が選任されることがあります。
また、成人でも、例えば高齢者で認知症が進行し、判断能力が著しく衰えた方などの場合、財産管理等のために「成年」後見人が選任されることがあります。
これらは法律的には同じ「後見人」ですが、適用場面が異なるため、やはり考慮すべき点などはかなり違ってきます。そのため、研修も2つ行われたわけです。
研修の内容は割愛しますが、1点、「後見人制度も、ずいぶん活用されるようになったなあ」という感想を抱きました。私が勉強中(学生時代)は、まだ「禁治産」という制度があり、ご本人の権利の擁護というよりは、どちらかというと市民社会のルールを理解して行動できない者の権利を剥奪するといったイメージがあったように思います。また、未成年後見人の制度は、ほとんど利用されていなかったのではないでしょうか。
しかし最近では、成年後見人の件数は大変多くなっていますし、任意後見といって、自らの意思で、自分に判断能力がなくなったときのための備えをしている方もおられます。
また、未成年後見人も、少しずつではありますが、弁護士のような法律専門家が選任されるケースも増えてきているようです。
そのような社会状況を反映して、弁護士の関心も高く、成年後見人研修は会場がほぼ満員、未成年後見人研修も8割方席が埋まっている状態でした。
私自身、未成年後見人の経験はありませんが、成年後見人は何件も受任したことがあります。
我々弁護士が選任されるのは、困難事例が多く、親族間に争いがあって相続問題の前哨戦が始まっているケースや、逆に、親族はいるのに全く対応してもらえず、仕方なく住所地の市長が後見開始の申し立てをしたというケースなど、いずれも事件処理に悩むような事例ばかりです。
もっとも、弱い立場にある方のそばでその権利を擁護するというのは、弁護士の職務の原点と言え、大変やりがいのある事件であることは確かです。
もしこのような問題で困っておられたら、ぜひ弁護士にご相談されることをおすすめいたします。
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(石田)